より超限的な構成を行うために必要な公理について

談話会情報

日時2024年6月27日15:15~16:45
場所D509
講演者津久浦健太(法政大学)
講演題目より超限的な構成を行うために必要な公理について
概要 数学は無限をも対象とする学問である. とりわけ集合論は無限集合を興味の対象とする, 無限に関する数学である. 一方で人間は無限回何か試行することが出来ないし, 無限長の証明を書くことも出来ない. そのため集合論では, 選択公理等の非構成的な原理や, 超限帰納法が重要になる.
これら無限に立ち向かうための基本的な原理を扱うことのできる, 数学を展開するに適している体系の1つがZFCであるが, その一方でZFCには証明も反証もできない命題, すなわち独立命題が数多く知られている. 独立命題の中には実数全体の集合の濃度評価に関する, 基本的だが重要な問題も含む.
 こうした現象の前で, 選択公理は無限集合の調査を行う際に十分な能力を持っていないのではないかという疑念が沸く. 本発表ではZornの補題・極大イデアルの存在を例として, グラフ理論への応用を交えつつ帰納法・選択公理の, 即ちZFCの拡張と, 種々の拡張可能性を前にして生じる問題について紹介したい.

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